ツェッテルカステンとアウトプットの接続方法
概要¶
この記事では以下の内容について扱います:
- ツェッテルカステンの「メインのメモ」と「アウトプット」間の接続の重要性
- 接続方法の比較検討
前提:
- ワークフローは「ツェッテルカステンの我流ワークフロー」で解説
- Obsidian を使用
ツェッテルカステンからアウトプットするときの問題¶
ツェッテルカステンからアウトプットするフローは、以下の図のようになります。
flowchart TB
A[ツェッテルカステンのメインのメモ] ==> B([複数のメモからまとめる])
B ==> C[アウトプット
(ブログ記事など)]
このとき、アウトプットは参考にしたメインのメモと別のファイルとして作成します。
ここで接続をしないことによる問題は以下の3つです。
1. 双方向アクセスの欠如¶
アウトプットから参考元のメインのメモへ、またその逆方向へのアクセスが困難になります。
2. 探索コストの増加¶
類似テーマでアウトプットする際に、一から関連するメモを探索する必要があります。
ツェッテルカステンのメモが増加するほどこのコストが増えます。
3. ツェッテルカステン成長との断絶¶
アウトプットは特定時点のスナップショットですが、ツェッテルカステンは成長するナレッジです。
メインのメモとアウトプットの間の接続が存在しないと、メインのメモの成長とアウトプットの関連が途絶えます。
flowchart TB
subgraph "ツェッテルカステン"
M1[メインのメモ1
(アウトプットがある)]
M2[メインのメモ2
(アウトプットがある)]
M3[メインのメモ3
(未アウトプット)]
M4[メインのメモ4
(未アウトプット)]
M1 --> M2
M1 --> M3
M2 --> M4
end
subgraph "アウトプット"
B1[ブログ記事1]
B2[ブログ記事2]
end
B1 x-.-x|"接続なし"| M1
B2 x-.-x|"接続なし"| M2
classDef newNote fill:#666,color:#fff
class M3,M4 newNote
解決方法¶
メインのメモとアウトプットの接続をするにはいくつか方法が考えられます。ここでは3つの案を示します。
結論から言えば案1のフロントマター(frontmatter)の相互リンクが有効です。
なお、どの案でもメインのメモのインデックスに目印を設定することでアウトプット済みメモの一覧性を確保できます( 1c の #blog )。
- [[1c|Obsidianツェッテルカステン反省点 #blog]]
- [[1d|読むべきものを読むために捨てる]]
- [[1d1|速読の方法]]
案1:フロントマターの相互リンク¶
ツェッテルカステンのワークフローの原則として、メインのメモと書籍メモは永久保存版のメモであるため、変更はしません。
ただし、永久保存原則の目的は「過去の思考を改変しない」ことです。
メタデータであるフロントマターへのリンク追加は思考内容の改変ではなく、参照情報の付与であるため、この原則に抵触しないと考えます。
逆に言えば、メインのメモとアウトプットのソースにはフロントマター相当のメタデータ管理が必要です。
具体的な方法は以下の通りです。
メインのメモの追加フロントマター要素:
blog_publication: ブログ記事のObsidian vaultのObsidian URLを記載。リスト形式- ブログ以外の媒体の場合は
媒体名_publicationとする - ツェッテルカステンとアウトプットのObsidian Vaultが別の場合でも、Obsidian URLを使えば1クリックで遷移できます
- ブログ以外の媒体の場合は
---
title: メモのタイトル
blog_publication:
- obsidian://open?vault=BlogVaultName&file=zk%2F2025%2Fzk-workflow
---
アウトプットの追加フロントマター要素:
source_notes: メインのメモのObsidian URLを記載。リスト形式output_url: ブログでデプロイしている記事のURL(マルチポストはしないのでテキスト形式)
---
title: ブログのタイトル
source_notes:
- obsidian://open?vault=VaultName&file=Main%2F1c
- obsidian://open?vault=VaultName&file=Main%2F1b2
output_url: https://azw-notes.net/zk/zk-workflow/
---
この方法を使うことで、複数のアウトプットからメインのメモを参照する場合でも、メインのメモとアウトプットの接続が可能です。
flowchart TB
subgraph "ツェッテルカステン"
M1[メインのメモ1]
M2[メインのメモ2]
end
subgraph "アウトプット"
B1[ブログ記事1]
B2[ブログ記事2]
end
B1 <-->|参考| M1
B1 <-->|参考| M2
B2 <-->|参考| M2
案2:アウトプットを書籍メモにする¶
アウトプットを書籍メモまたはメインのメモとして扱い、参考にしたメインのメモの枝番メモにする方法です。
flowchart TB
subgraph "ツェッテルカステン"
subgraph "Main"
M1[メインのメモ1]
M1a[メインのメモ1a]
end
subgraph "書籍メモ"
BK11[ブログ記事1の情報]
end
end
subgraph "アウトプット"
B1[ブログ記事1]
end
M1 --> M1a
M1a --> BK11
BK11 --> B1
以下の問題があります。
- 1アウトプットにつき専用の書籍メモを作成する(管理対象の増加)
- 遠い幹や枝番のメモとの接続が書籍メモを見るまで分からない(一覧性の低下)
- メインのメモからアウトプットへの遷移に別のメモを経由する(アクセス性の低下)
案3:MOC¶
アウトプット専用のMOCファイルをツェッテルカステンのVaultに作り、1記事1ファイルとする方法です。
以下のように、アウトプットのメタデータと参考情報を記載します。
# ツェッテルカステンとアウトプットの接続方法
- 公開日: 2025-01-12
- URL: https://example.com/2026/zk-output
- Obsidian URL: obsidian://open?vault=content&file=zk%2F2026%2Fzk-output
## 参考にしたメインのメモ
- メモ1 → [[1]]の第2節
- メモ1の枝1 → [[1a]]
- メモ1の枝2 → [[1b]]
案2と同様の問題があります。
- 1アウトプットにつき専用のMOCファイルまたは専用の見出しを作成する
- 遠い幹や枝番のメモとの接続がMOCファイルを見るまで分からない
- メインのメモからアウトプットへの遷移に別のメモを経由する
Obsidianのコアプラグイン Base やコミュニティプラグインの Obsidian Dataview を使うと、MOCファイルに関連データを自動集約できます。
ObsidianとDataview依存になるため、MOCファイルのポータビリティは低下します。
まとめ¶
本記事ではツェッテルカステンとアウトプットの接続方法を考察しました。
案1(フロントマターによる相互リンク)を推奨します。
理由:
- メインのメモの永久保存原則を守れる
- 多対多リレーションに対応
- アクセス性と一覧性の両立